メンタルの弱さを改善するために行ったこと #3【ACT〜脱フュージョン〜】

【メンタルの弱さを改善するために行ったこと】のラストです(#1 #2)。

前回は、瞑想初心者の私が瞑想を習慣化させた「3分間の呼吸瞑想」というテクニックについて解説しました。

今回はACTという心理療法で使われている「脱フュージョン」についてまとめていきます。

不安などの自分を動揺させるような感情に囚われやすかった私が、自分の感情と冷静に向き合えるようになったテクニックになります。

漠然とした不安感や苛立ち、怒りといった「自身を動揺させるような感情」のコントロールに悩みに抱えている方の参考になれば幸いです。

漠然とした不安感から「脱フュージョン」する

ACTとは?

まずはACTについて、医師&心理療法士であるラス・ハリスさんの著書『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』を参考に簡単に説明します。

ACTは「アクセプタンス・コミットメントセラピー」の略で、何かに抵抗したり、何かを回避したり、現在を生きていないといった(例:過去の後悔、未来への漠然とした不安など)マイナスな行動を弱める手段を提供するアプローチです。

このアプローチの重要なポイントは「マイナスな行動を弱める」ということです。

多くの人は不快に感じる感情や思考が生まれた時に、その感情や思考を「解決」しようとしてしまいますが、その「解決」の努力が悪循環を生んでしまうとのことです。

人間は何かを解決しようとする時に「闘争・逃走」本能というものを働かせることがあるため、不快な感情や思考に抵抗しようとしたり、それらから逃げようとしてしまいます。

しかし、抵抗したり逃げたりするのはあくまで「一時凌ぎ」にしかならず、水の中に沈めたボールを押さえる手を外せば再びボールが浮き上がってくるように、不快な感情や思考も再び沸き起こってきてしまうのです。

そういった悪循環に陥らないためのテクニックとして、ACTの「脱フュージョン」というものがあります。

脱フュージョンとは?

一言で言うと「思考と新たな関係を作る」方法です。

私たちは「思考」と「出来事」をごちゃ混ぜにしてしまっていることが多いです。

つまり、自分達の頭の中に浮かんだ考えがいかにも現実で起きているかのように錯覚してしまうのです。

例を挙げます。

頭の中に「レモン」を思い浮かべて見てください。

そのレモンを包丁で輪切りにして、したたるレモンの果汁を1滴、2滴、3滴と口の中に垂らしてみましょう。

その果汁をごくりと飲んだら再び果汁を垂らしていきます…。

 

いかがだったでしょうか?

口の中にヨダレが出てきたり、ツバをごっくんとした方がいるかもしれません。レモンが目の前にないにも関わらず。

このように思考と出来事がごちゃ混ぜになっている状態を「フュージョン」と言います。

例は「レモン」という特に害のないものだったから良いのですが、これが「自分のことを動揺させるような感情」だったらどうでしょうか。

沸き起こった感情は、まるで現実の出来事かのように私たちを襲ってきます。

私の経験談ですが、以前仕事で大きな失敗をした際に「動揺させる感情」に囚われて怖くて怖くてたまらないことがありました。

「こんな失敗をしてしまったら、周りからどれだけ非難の目で見られるだろうか。」

「今後何か意見をしても信頼されないのではないか。」

「周りからの視線が以前と違っているように感じる。」

「誰かと喋ることもままならない…。」

こんな感じですごく追い込まれてしまいました(記憶を思い出して文章にしている間も、正直背中がゾクッとしましたが…)。

「失敗した」という現実に起きた出来事と、真実かどうかもわからない動揺させる思考とが完全にフュージョンしてしまい、その思考や感情を抑えようとしても再び浮き上がってきてしまい、最終的には退職という形で逃げてしまいました。

このように、私たちを動揺させる思考は、いかにも現実で起きているかのように錯覚してしまい、不安などに囚われ思い悩んでしまうのです。

そんな自分自身の思考や感情を「あるがまま」に受け入れ、その後に起こりうるマイナスな行動を「弱める」ためのテクニックが脱フュージョンになります。

脱フュージョンの方法と注意点

自分を「動揺させる思考」が浮かんだら、頭の中で以下のフレーズを唱えてください。

私は「自分が(動揺させる思考)だ。」という考えを持っている。

【引用元:ラス・ハリス(2015年). 幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない (株)筑摩書房】

例えば、前を走る車がウィンカーを出さずにブレーキを踏んで右折しようとした時、「おいおい、ウィンカーをもっと早く出してくれ。」という思考が思い浮かんだとしましょう。

「自分は今、前の車の運転にイラッとした。」というのはあくまで思考であって、実際に起きたのは「前を走る車がウィンカーを出すのが遅かった」という事実です。

このまま「イラッとした」思考が「前を走る車がウィンカーを出すのが遅かった」事実とフュージョンしてしまうと、この後も眉間のシワを寄せながら運転してそうですよね。

そこで、「私は『自分が前の車の運転にイラッとした人間だ。』という考えを持っている。」と頭の中で唱えてみましょう。

「イラッとした」自分と少し距離が離れたのがわかるでしょうか。

このフレーズに「動揺させる思考」を当てはめることで、自分の思考に囚われず俯瞰することができます。

あとは、時の流れに身を任せて、「動揺させる思考」がどこかへ流れていくのを見るだけです。

この感覚が掴めてくると、ACTのテクニックの本質が「解決」ではなく「弱める」ことである意味が理解できてくると思います。

 

最後に注意点を2つお伝えします。

1つ目は「思考が全て敵」というわけではないこと。

2つ目は、思考がポジティブかネガティブかではなく「それが豊かな人生に導く思考なのかどうか」で考えること。

もし頭に浮かんだ思考が、新しい挑戦につながったり、周りの人たちを笑顔にできるものであればフュージョンします。

私はコロナウィルスによって仕事が「0」になった時の不安と向き合ったことで「独立」という選択肢を得ることができました。

脱フュージョンというテクニックに出会ったことで、人生にプラスに働くのであればその思考に注目し、マイナスに働くのであれば距離を置くというように自分の思考を切り分けることができるようになりました。

メンタルが強くなったとは言い切れませんが、先述した退職した時に比べるとメンタルの弱さを少しずつ克服できていることを実感しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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