皆さんこんにちは、issunです!
前回はアニメ版「遊戯王5D’s」に登場する『BF』モンスターの名前の語源をまとめました。
今回の記事では、漫画版「遊戯王5D’s」に登場する『BF』を取り上げていきたいと思います。
『BF』の名前の構成は、
漫画版のモンスターは、〇〇に「太陽や月、星」に関連した言葉が使用されています。
名前に当たる△△は、共通して剣や弓などの武器の名前をモチーフにしており、イラストでは実際にその武器を手に持っていることが確認できます。
漫画版5D’sに登場する『BF』
まずは漫画版に登場した下級『BF』をみていきたいと思います。
下級モンスター
BFー残夜のクリス
◆残夜:夜明け
◆クリス:短剣「Kris(Keris)」
「Kris」はインドネシアの伝統的な短剣で、イラストにもあるように、刃が波打った非対称な形なのが特徴的です。
また、その見た目はインドネシアの国章のデザインにもなっている、伝説の鳥「ガルーダ」によく似ています。
身につけている衣装も、インドネシアの民族衣装を連想させます。
名前、見た目ともに、かなり作り込まれたモンスターですね。
BFー極夜のダマスカス
◆極夜:南極や北極の冬季に起こる1日を通して太陽が昇らない現象
◆ダマスカス:イスラム教徒の国で作られていた「ダマスカス剣」
「ダマスカス剣」はダマスカス鋼という表面に木目のような縞模様を持つ鋼から作られているそうです。
シリアの首都「ダマスカス」で刀剣などを作る際に、その鋼を使用していたことから「ダマスカス鋼」と呼ばれています。
「ダマスカス剣」は切れ味がよく、よくしなる頑丈な美しい剣だったそうです。
BFー白夜のグラディウス
◆白夜:夏期に起こる1日を通して太陽が沈まない現象(↔︎極夜)
◆グラディウス:古代ローマ時代の軍団兵や剣闘士が使用していた刀剣
両手に持っている刀剣「グラディウス」が、古代ローマ軍の使用していたものということで、身につけている銀色の鎧も古代ローマ軍を彷彿させるデザインとなっています。
BFー上弦のピナーカ
◆上弦:新月から満月になるまでの中間の月
◆ピナーカ:ヒンドゥー教のシヴァという神が持っていた弓
ここからは「月の満ち欠け」が語源となるモンスターの紹介です。
「上弦の月」とは「弓の弦」を斜め上向きにしたような形で沈むことからそのような名称が付けられています。
この「弓」に掛けて、「ピナーカ」という弓の名前が使われているのも面白いですね。
その「ピナーカ」という弓も、「インド」のヒンドゥー教のシヴァが持っていた弓ということで、ピナーカ自身の頭に、インドで伝統的に巻かれている「ターバン」を身につけているのが良いですね。
BFー下弦のサルンガ(未OCG化)
◆下弦:満月から次の新月になるまでの中間頃で、弓の弦を下向きにしたような形の月(↔︎上弦)
◆サルンガ:ヒンドゥー教のヴィシュヌという神が持っている弓の名前
名前も見た目も「上弦のピナーカ」と対になるモンスターですが、OCG化されていないのが残念です。
「ピナーカ」と比較した時、
・月の満ち欠けの名称(下弦↔︎上弦)
・ヒンドゥー教の神が持つ弓の名称
・チューナー
という共通点があります。
また、「サルンガ」という弓は、「太陽の炎でできた翼の生えた矢」を放てる弓ということで、イラスト内でそのことがしっかり表現されていますね。
BFー新月のジュル(未OCG化)
◆新月:陰暦における月の第一日のこと
◆ジュル:中東の暗殺者が使用していた「水牛の角のような突起のある武器」
このモンスターも「サルンガ」と同じくOCG化されていません。
シンクロモンスター
最後に、漫画版に登場したシンクロモンスターを3体紹介したいと思います。
BFー星影のノートゥング
◆星影:星の光
◆ノートゥング:「ニーべリングの指輪」中で、英雄ジークフリードが持っていた剣の名前
〇〇の部分が、下級モンスターは「太陽」や「月」に関する表現でしたが、シンクロモンスターは「星」に関する表現になっています。
ノートゥングの登場する「ニーべリングの指輪」というのは、ドイツで作られた楽劇のことです。
BFー煌星のグラム
◆煌星:美しく輝くたくさんの星(=綺羅星)
◆グラム:北欧神話に登場する剣
「グラム」は、その長さが約140cmもある剣です。
また「グラム」は、「ニーベルングの指環」に登場する剣「ノートゥング」のモデルになった剣だそうです。
しっかりストーリーが繋がっていますね。
BF Tー漆黒のホーク・ジョー
◆漆黒:漆を塗ったような光沢のある黒
◆ホーク・ジョー:鷹匠(タカを扱う人間)
鷹(タカ)を扱う人間のことを「鷹匠(たかじょう)」と呼びます。
また、鷹のことを英語で“hawk”=ホークと言います。
つまり、
鷹(ホーク)・匠(じょう)=ホーク・ジョー
ということですね。
ホーク・ジョーの効果も「墓地から鳥獣族モンスターを特殊召喚する」という、鳥獣族(鳥)を操ることができる「鷹匠」を表現した効果になっています。
また、『BF』モンスターの中で唯一の戦士族モンスターであることも、人である「鷹匠」を語源としていることが理由なのではないでしょうか。
見た目は「ネイティブ・アメリカン」を彷彿させるデザインとなっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
アニメ版とは違い、「月や太陽、星」にまつわる言葉や「剣、弓」などの武器の名称が語源の中心となっていました。
その武器を実際に手に持っていたり、語源の背景を彷彿とさせる見た目だったりと、とても作り込まれたイラストデザインに感動しました。
次回は『BF』の語源“第三弾”、「アニメ版 遊戯王ARC-V」に登場した『BF』の語源に迫っていきたいと思います。
漫画版5D’sでは海外の「剣」が出てきましたが、ARC-Vでは「日本刀」が出てきます。
ぜひ楽しみにしていてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。