筋トレの時、「どのようなリズムで呼吸をすれば良いのか」と悩んでいる方は多いと思います。
結論を言うと、トレーニング中の筋肉の動き(力を発揮するタイミング)に合わせて、胸式呼吸を意識して呼吸をするのが推奨されています。
本記事では、具体的なトレーニングメニューに合わせた呼吸法と胸式呼吸の練習方法を、筋トレ初心者の方でも理解できるように紹介します。
筋トレの時の呼吸法を知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
筋トレ時の呼吸のリズムと重要性
伸長時に吸い、収縮時に吐く
以下のように、トレーニング中の筋肉の動きに合わせて呼吸のリズムを決めます。
- 動作のメインとなる筋肉が伸びる(ストレッチされる)時→息を吸う
- 動作のメインとなる筋肉が縮む(力を入れる)時→息を吐く
筋肉が伸びる瞬間(例:スクワットでしゃがんだ時、腕立て伏せで胸を床に近づけた時)は、体幹周辺が不安定になりやすくなります。
その瞬間に息を吸うことで、腹圧が高まり腰椎を安定させることができます。
以下では、自宅でできる代表的な自重トレーニングを例に、具体的な呼吸のタイミングを紹介します。
スクワットの場合
- しゃがむ時に息を吸い、立ち上がる時に息を吐く
- しゃがむ時→お尻やハムストリングス、腿前の筋肉が伸びる
- 立ち上がる時→お尻やハムストリングス、腿前の筋肉が縮む
※重たいダンベル等を使用する場合、腹圧を高めて腰椎を守るために「息を止めて」1レップを行う場合もある。
腕立て伏せの場合
- 胸を床に近づける時に息を吸い、上体を持ち上げる時に息を吐く
- 胸を床に近づける時→胸の筋肉が伸びる
- 上体を持ち上げる時→胸の筋肉が縮む
片手・片足ルーマニアンデッドリフトの場合
- 上体を前に倒す時に息を吸い、上体を起こす時に息を吐く
- 上体を前に倒す時→お尻やハムストリングスの筋肉が伸びる
- 上体を起こす時→お尻やハムストリングスの筋肉が縮む
※重たいダンベル等を使用する場合、腹圧を高めて腰椎を守るために「息を止めて」1レップを行う場合もある。
Tips.懸垂の場合は逆のリズムが効果的
懸垂の場合は、以下のリズムで呼吸を行った方が効果的です。
体を持ち上げる(懸垂バー引く)時に息を吸い、体を降ろす時に息を吐く
懸垂で体を持ち上げる時は、背中の筋肉を収縮させるために「肩甲骨を寄せる」必要があります。
息を吸いながら胸を膨らませることで、肩甲骨が寄せやすくなるため、懸垂のトレーニング効果を高めることができます。
- 体を持ち上げる(引く)時→背中の筋肉が縮む
- 体を降ろす時→背中の筋肉が伸びる
胸式呼吸を意識する
筋トレの時の呼吸は「胸式呼吸」を意識しましょう。
胸式呼吸を意識することで、体幹を安定させながら呼吸を行うことができます。
胸式呼吸のやり方
- 体幹を固めた状態で息を吸う
- 肋骨を広げて肺に息を送り込む(胸が膨らむ)
- お腹を凹めないように息を吐く
- 肺から息が出ていく(胸が元に戻る)
Tips.筋トレ初心者の方は要練習を
胸式呼吸は言葉で言うほど簡単ではありません。
特に筋トレ初心者の場合、多くの方が「腹式呼吸」になってしまうと思います。
「腹式呼吸」とは、横隔膜を使って呼吸を行う方法です。ヨガ等で体をリラックスさせる時に意識します。
胸式呼吸がうまくできない方は、以下の手順に従って練習してみてください。
腹式呼吸の練習方法
- 片手を胸、もう片方の手をお腹に当てる
- 腹筋に力を入れる→腰は丸めない
- 胸に当てている方の手で肺(肋骨)が膨らむ感覚を感じられるように息を吸う→お腹はほとんど動かないように意識する
- 胸に当てている方の手で肺(肋骨)が元に戻る感覚を感じられるように息を吐く→お腹はほとんど動かないように意識する
- 以上、③〜④を繰り返す
筋トレで呼吸を意識する理由
筋トレの時、前述したような呼吸のリズム・方法を意識すべき主な理由は以下の通りです。
- 体幹を安定させて、筋肉の力を最大限発揮できるようにする
- 血圧の急上昇やめまい、立ちくらみ等を防ぐ
安全に効果的なトレーニングをするためにも、呼吸を止めないことを心がけてください。
まとめ
筋トレ時の呼吸の意識は、安全かつ効果的なトレーニングのために非常に重要です。
本記事で紹介した呼吸法のポイントは以下の通りです。
- 動作のメインとなる筋肉が伸びる(ストレッチされる)時→息を吸う
- 動作のメインとなる筋肉が縮む(力を入れる)時→息を吐く
※懸垂やダンベルを使用したトレーニングの場合はこの限りではない
- 胸式呼吸を意識する(×腹式呼吸)
筋トレ初心者の方は「胸式呼吸」の練習に時間をかけて、効果的な呼吸法を身につけてからトレーニングに臨んでください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!