AI時代のプログラマー、システム開発事情について解説します

AI

近年、AI技術の急速な発展によって、プログラマーの仕事やシステム開発業界が大きく変化することが予想されます。

この記事では、AI時代におけるプログラマーやシステム開発事情について、以下ポイントに焦点を当てて解説します。

  • 新規未経験者の業界参入の難易度は上がるのか?
  • 開発コスト削減による単価低下について
  • 日本のSIer構造への影響について

※記事の内容は、筆者による個人の見解となりますのでご了承ください。

新規未経験者の業界参入は難しくなる

AI技術の発展により、新規未経験者の業界参入は難しくなると思われます。

高度なスキルが求められるようになる

プログラマーやシステム開発者には、今後より高度なスキルが求められるようになるでしょう。

AIによる自動コーディングが進むことで、プログラマーが直接コードを書く割合は減少します。
そのため、以下のようなスキルが重要になってきます。

  • AIの意思決定プロセスを理解する
  • AIに適切な指示を出す
  • AIが生成したコードの品質を評価・改善する

未経験者や初心者が上記の高度なスキルを身につけるのは難しいことです。

従来の開発現場では、未経験者や初心者に簡単なコーディングを依頼することで、少しずつスキルを上達させる環境が提供されていました。
しかし、今後はAIが未経験者に振られていた作業を簡単にこなすようになってしまいます。

コストや効率を考慮すると、多くの開発現場では未経験者の採用よりもAIによる作業効率を重視する方向へシフトすると予想されます。

開発コスト削減による単価低下が起こる

効率化による競争激化

AI技術の発展により、開発プロセスが効率化されることで、開発コストが削減されることになりそうです。

これにより、業界内での競争が激化し、単価が低下する可能性があります。

プログラマーやシステム開発者にとっては、単価低下に対応するために自身のスキルや知識を継続的に向上させることがより重要となりそうです。

新たなビジネスチャンスに繋がる面もあり

業界内のマイナスの影響だけでなく、新たなビジネスチャンスや市場が生まれることも期待されます。

例えば、AIを活用した新しいサービスやアプリケーションの開発、AIと連携するシステムの構築などが挙げられます。

スタートアップ、ベンチャー企業、個人起業家にとっては低コスト、短期間で新たなサービスを生み出すことに繋がり、市場が活性化するのではないでしょうか。

日本のSIer構造・請負会社への影響

従来の日本のシステム開発において、サービスを提供する大手企業などが自社内でシステム開発のリソースをあまり保有しないことから、SIer構造は切り離せないものとなっていました。

しかし、この構造にも変化が生じると予想します。

上流工程での開発が可能になる

AI技術が進化することで、上流工程での開発が効率化され、ほとんど開発が完了することが予想されます。
AIが企画や設計などの上流工程タスクに対して、効率的な解決策を提案できるようになり、下流工程での作業量が削減されるためです。

これにより、下流工程に残される作業は、細かいディテールの調整やバグ修正に限定される可能性があります。

この変化により、末端の請負会社は従来のような多くの仕事が得られなくなり、収入減に繋がることが懸念されます。
また、これに伴い雇用の減少や労働条件の悪化が発生する可能性もあります。

業務範囲の拡大とスキルアップが必要

末端の請負会社が今後の市場環境に適応するためには、業務範囲の拡大や社員のスキルアップが求められます。

AI技術の理解や適用方法を学び、AIと連携して効率的な開発を行う能力を身に付けたり、積極的に上流工程に参加できるようになることが重要なのではと考えます。

これからの請負企業は、上流工程、下流工程という概念にとらわれず、システムの実現のために一貫して開発に関与できるような能力が必要そうです。

まとめ

先日、ゴールドマンサックスから「生成系AIによる仕事の略奪」についてレポートが出されました。

ここで言及されている「3億人分の仕事がAIによって取って代わられる可能性」において、システム開発業界が占める割合は少なくないでしょう。

AI技術の進化は、業界全体に大きな変化をもたらしますが、それぞれの企業や個人が柔軟に対応し、自己改革を続けることが成功のカギになると思います。

プログラマーやシステム開発者は、自分自身を磨くことや新たな市場ニーズに対応することで、AI時代においても活躍することができるでしょう。

AIをすぐに学ぶ方法を紹介

最近のAIの盛り上がりから、AI技術に興味を持った方も多いのではないでしょうか。

ディープラーニングやニューラルネットワークという言葉を聞く機会が多くなっているものの、それらを理解するのは難しいのではと感じている方もいるかもしれません。

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ディープラーニング学習本として完成度が高い一冊で、原理からその実装方法までを解説してくれています。

Pythonを用いたコードでの解説になりますが、冒頭にはPythonの簡単な入門も付属しており、Python未経験者でも読み進められるようになっています。

名著ですが、まだ手に取って読んだことがない方は、この時代の移り変わりの機会に一読することをおすすめします。

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