受託開発企業の仕事は多岐にわたりますが、その核となる業務はクライアントからの依頼を元にシステムを開発し、納品することです。
納品後も保守を行い、システムがスムーズに稼働するように支えます。
この記事では、自身の経験から得た知識を元に、クライアント先によるプロジェクト性質の差異について解説します。
私自身、ベンチャー企業での受託開発業務において、プロジェクトリーダー・プログラマーの経験がありますが、クライアントによってプロジェクトの性質が変わることを実感しました。
クライアント毎に案件の性質が異なる
受託開発企業は、さまざまなクライアントと取引を行っています。
その中で、企業との直接取引の場合と、SIer企業との取引の場合で、案件の性質に違いがあると感じていたので、それを紹介します。
企業との直接取引の場合
商流は、クライアントとの直接取引のため、直請案件(一次請)になります。
クライアントは、自社サービスに関するシステムをリリースして、利益を上げる(ユーザに新たな体験、満足を与える)ことを重要視しています。
この場合、受託開発企業とクライアント企業は、二人三脚でプロジェクトを進めるような形となります。
案件進行上の特徴は以下です。
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クライアントのシステム要件に対して、ただ言われた通りに製造するだけでなく、サービス・製品がよりよくなるように提案することが必要となる。
→幅広い知識が必要となり、難易度は高くなる。 -
工数が膨らんでしまった場合に、納期調整してもらいやすい。
→二人三脚で、どんなことにもお互い様という雰囲気があるため。 - プロジェクト進行中は、結構ラフな雰囲気でやり取りができる(クライアントによる)。
- 新規開発では、開発側で言語やフレームワークを選択できたりするので、最新技術に触れる機会にもなり、コーディングが楽しい。
クライアントの良いサービスを生み出したいという思いに寄り添うことは容易ではないですが、開発したサービスがリリースされたときには、クライアントと共にその喜びを分かち合え、大きなやりがいを感じることができます。
SIer企業との取引の場合
商流は、SIer企業にはエンド企業が存在するため、二次請(二次請以降)になります。
SIerが主にプロジェクトマネジメントを行い、受託開発企業がコーディングする体制となる場合がほとんどです。
案件進行上の特徴は以下です。
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受託開発企業は、エンド企業と直接やり取りすることはほとんどないため、基本的にはSIerから振られたタスクをこなすのがメイン業務になる。
→提案とかはあまりできず、タスク消化することが重要視されがちで、SIer側のPL・PM次第だが、業務を丸投げしてくる場合もあり、協力して何かを達成するという感じにはならない。 -
工数が膨らんだ場合に、納期調整が難しい(=残業でがんばることになりやすい)。
→SIerとしては、エンド企業に納期の交渉をなるべくしたくないので、下請けに頑張らせようとする。 -
案件次第だが、古い言語やフレームワークで開発することが多い。
→SIerに発注する会社は、お金がある規模が大きい(=比較的古い)企業が多い
直接取引の場合と比べると、やや面白みに欠ける案件となることもありますが、もちろんこれは全てのケースに当てはまるわけではありません。
受託開発企業に就職する前に、取引先について確認しておきたい
上記通り、直接取引とSIer取引の場合で、案件性質が異なることを紹介しました。
個人的には、直接取引案件の方がやりがいがあり、自身の成長が感じられるので、直接取引の多い受託開発企業での仕事をオススメしたいです。
※さらに、直接取引の方が企業利益も大きなりやすいです。SIer案件は、中抜き後の価格なので。。
もし、今後受託開発企業への就職を検討される場合には、求人を確認したりや面接で質問するなどして、どのようなクライアントと取引しているかをチェックすることをオススメします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。