昔から、周りの大人に「とりあえずお金は貯めておいた方が良い」と言われてきました。
「何のため?」と聞くと「何があっても良いように」「もしもの時のため」「大人になるとお金が必要になるから」と、漠然とした回答しか返ってきませんでした。
しかし、YouTubeやSNSを見ていると「お金は使うものだ。貯めるものではない。」「貯金より投資をすべき。」なんていう意見もありますよね。
現金での貯金は万が一の備え(病気や失業)や心の安心にもつながりますが、物価が上昇しているときは現金の価値は下がっていきます。
本当に貯金は大事なのでしょうか?それとも貯金より投資を優先すべきなのでしょうか?
そこで、私が1年間で100万円を貯金した経験から上記の疑問の答えが見えてきたので、お金を貯めることの意味とその方法について解説していきたいと思います。
貯金の意味を理解した上で100万円を貯める
貯金をする前に
まずは「お金は使うものだ。貯めるものではない。」「貯金より投資をすべき。」という意見を分解します。
お金は、衣食住の維持したり、欲しいものを買ったり、誰かのことを支援したり、恋人や家族との時間をつくったりと、何か必要なモノや時間を手に入れるために「使う」と思います。
あくまで必要なモノや時間を手に入れる手段としてお金を支払っています。
また、物価が上がっていくと利息のほとんどつかない現金貯金はお金の価値を相対的に下げてしまいます(100円で買えていたキャベツが1年後に150円になっていたら、1年前から貯めていた現金の100円ではキャベツが買えなくなる=現金の価値が下がってしまった)。
逆に株式投資などは物価の上昇にも強いため、経済の成長に合わせてお金の価値を高めることができます。
すごくざっくりとした説明ですが、お金を「貯める」ということは必要なモノや時間を手に入れるために「使う」という本来の目的から少し外れた行為であり、物価の上昇にも弱い手段として捉えられることがあります。
しかし、急に現金が必要になる場面も当然ありますよね。
前述したように、病気や失業といった万が一な事態が起きて一時的に収入がなくなった時には、お金の使い方や物価云々言ってられません。
以上を踏まえると、貯金はお金の本来の目的ではないし、物価が上昇すればお金の価値を下げてしまう行為でもありますが、万が一の備えとして現金での貯金も必要だよね、というのが結論になります。
貯金のことを「良い」「悪い」と0-100で考えない方が良いということですね。
では、この前提を踏まえた上で貯金の意味を具体的に説明していきます。
貯金の意味
それは「家計を見直し、固定費や無駄な支出を削減し、余剰資金を増やす手段」です。
通帳に溜まっていく残高を見てニヤニヤすことではありません(笑)
収入と支出のバランスや、家計(家の経済状況)がどのように回っているのかを調べ、自分にはどのくらいのお金が必要なのか、そのお金を作るためには何を削り、何を増やせば良いのか。
そのように具体的な戦略を考え行動に移していく行動のことを貯金と捉えるのが良いと思います。
戦略的に100万円を貯める
では、実際の私の戦略を説明して今回の記事は終わりにしたいと思います。
私が実践したのは「生活防衛資金の一部として100万円を貯金する」ということです。
生活防衛資金とは突然仕事がなくなってしまったり、急な病気などでお金が必要になった時に備えておく資金になります。
そんな100万円の貯金に向けた戦略は以下の3つです。
- 自分の価値観を反映した家計簿を作成する
- 固定費・支出を見直し、余剰資金を増やす
- 10〜20%の先取り貯金をする
正直裏技は一切ありません。
書籍やYouTube、SNSでも良く聞く方法を黙々と実践しただけです。
ただし、一般的な方法と少し異なるのポイントは、①の「自分の価値観を反映した家計簿を作成する」です。
引き続き「価値観」の話が出てきました。
お金を貯めるにしろ、使うにしろ、稼ぐにしろ、それは私たちが選択した行動になります。
その行動の指針となるのが私たちの価値観です。
「とりあえず貯金しておきなさい。」
「老後に2000万円必要らしい。」
「投資はやったほうが良い。」
そういった教えだったり、メディアやSNSの情報の一端だけを切り取って行動してしまうと、何の指針に沿ってその行動を選択しているのかをわからなくなり失敗につながります。
「何のための貯金ですか?」
「老後いくら不足しますか?その理由は?」
「つみたてNISAを始めた目的は何ですか?」
お金に関わる皆さんの行動に対して上記のような質問をぶつけてみて、もしその答えに詰まってしまったのであれば、それはお金に対する価値観を考えるチャンスです。
次回の記事では、私が100万円の貯金を選んだ理由も含め「自分の価値観を反映した家計簿の作成方法」について解説します。
最後まで読んでいただきありがとうございました!