100万円の貯金で学べたこと #2【価値観を反映した家計簿】

100万円の貯金で学べたことの続きです(#1)。

前回の記事では、貯金の意味=「家計を見直し、固定費や無駄な支出を削減し、余剰資金を増やす手段」という説明をしました。

今回は、家計を見直す手段としてどのように家計簿を作成し、どのように貯金を始めていけば良いのか解説していきます。

価値観を反映した家計簿を作成する

お金と価値観について

「あなたにとってお金とは何ですか?」

家計簿の作成は、まずはこの質問に答えるところから始まります。

お金が関係する行動には皆さんの価値観が大きく影響してきます。

仕事や趣味、教育、老後資金…と上げていけばキリはありませんが、資本主義社会で生きる以上人生における重要な選択には少なからずお金が絡んできます。

どのようにお金を稼ぎ、どんな目的でお金を使って、どれだけのお金が現在や未来に必要になるのか、それらを把握するためにも今一度お金と価値観を照らし合わせて見てください。

例として私の話をさせていただくと、私にとってお金とは「居心地を開拓するための道具」になります。

もう少し具体的に表現すると「自分にとって居心地の良い時間や空間を作るために必要なもの」です。

このお金に対する価値観を念頭に置いた上で家計簿の作成に入ってくいきます。

家計簿で知りたいことを明確にする

私が家計簿で知りたかったことは以下の3つです。

  1. 自分の価値観に沿った生活を送るのに必要な予算
  2. 万が一に備えて必要な生活防衛資金の額
  3. 将来必要な資産とその資産形成に回すことができる余剰資金

①〜③を把握することで家計のバランスを分析することにしました。

では、この3点を把握することでどのような分析ができるのか、会社員の夫と専業主婦の妻の2人の生活を例として考えてみます。

①を算出したところ夫婦2人で1ヶ月40万円必要でした。

その40万円を基準に②を考ると、生活防衛資金として40万円×6ヶ月で240万円の貯金が必要になります(会社員の場合、無収入になっても最低半年は生活できる金額を生活防衛資金として貯金しておくと良い)。

では、その40万円の生活費で65歳以上も過ごしていくと仮定しましょう。

例に挙げた夫婦の場合、厚生年金と国民年金と合わせて月に約23万円受給できる(厚生労働省の年金モデルより)ようなので、17万円不足していることになります。

65〜100歳まで生きるとしたら、17万円×12ヶ月×35年=7,140万円必要になりますね。

以上をまとめます。

  1. 自分の価値観に沿った生活を送るのに必要な予算→40万円/月
  2. 万が一に備えて必要な生活防衛資金の額→240万円
  3. 将来必要な資産とその資産形成に回すことができる余剰資金→35年で7,140万円必要

このように自分の価値観に沿った生活を送るのに必要な予算を家計簿で把握することで、いくら現金で貯金すれば良いのか、将来に備えてどのような資産形成の手段(貯金、投資信託など)を選択すれば良いのか見えてきますよね。

もし、生活防衛資金や資産形成の金額を今の収入から捻出できないのであれば、①の予算を見直して余剰資金を生み出せるようにしたり、収入を上げるために副業を始めてみたり、投資信託を利用して長期的に老後資金を作っていったりと、お金に関する行動の目的が明確になりますよね。

価値観と向き合ったり細かい計算をしたりと面倒臭いと感じるかもしれません。

ですが、お金に対する価値観を踏まえた家計簿を作成することによって、メディアに流されて漠然と将来の不安を抱えたり、とりあえず投資を始めたり、今の満足のために浪費をしてしまったりといった行動を避けることができます。

「何のための貯金ですか?」

「老後いくら不足しますか?その理由は?」

「つみたてNISAを始めた目的は何ですか?」

前回の記事の質問に対して、根拠のある目的や数字が答えられるのではないでしょうか。

私が生活防衛資金として、まずは100万円を貯金しようと決めたのもこの手順を踏んだからという訳です。

知りたいことが知れればどんな家計簿でも良い

表計算ソフトでもアプリでも手書きでも、家計簿で皆さんが知りたいことを把握できれば何でも良いです。

私はMacのNumbersでオリジナルの家計簿を作成しましたが、以下の計算をしているだけです。

(前月の収入)ー(当月の消費金額)=(貯金or投資の予算)+(来月の浪費予算)

収入を上げて、消費(生活コスト)を下げれば、それに伴って生活防衛資金や将来のための金額は抑えられ、遊びに使えるお金が増えていくという仕組みです。

もちろん遊びに使えるお金の上限は決めているので、それを超えた金額は貯金or投資に投げて資産形成のスピードを上げていくことができます。

このように自分の知りたいことが知れる家計簿を活用することで、

  • 自分の価値観に沿った生活を送る最低限の生活費
  • 生活防衛資金の金額と貯金計画
  • 贅沢する余裕と資産形成のスピードを大きくするために必要な収入

を把握できています。

これだけの戦略を立てることができる「価値観を反映した家計簿」をぜひ作成してみてください。

次回は、生活コスト下げ、生活防衛資金づくりのための余剰資金を増やすための戦略「固定費・支出の見直し」の実践例をまとめていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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