『寝不足がダイエットの天敵である』理由について、こちらの記事で解説しました。
食欲を暴走させたり、痩せたとしても脂肪を溜め込んで筋肉を落とす原因となる『寝不足』を、どのように改善すれば良いのでしょうか?
私は、以前まで『寝不足=睡眠時間が短い』という認識でいたため、とりあえず睡眠時間を伸ばせば寝不足のデメリットを打ち消せると考えていました。
しかし、睡眠時間を伸ばしたところで、朝パッと目が覚める訳でもなく、翌日の気だるさもなくなりませんでした。
睡眠時間を確保しているのに体が休まった感じがしない…皆さんもそのような経験はありませんか?
寝不足は『睡眠時間の長さ』だけではなく『睡眠の質』も大きく関係しています。
つまり、寝不足を改善するためには睡眠時間を長くするだけでなく、心身の疲れを十分回復できる『質の高い睡眠』をとる必要があります。
本記事では、ダイエットの天敵である寝不足を解消する『睡眠の質を高める方法』を4つ(+1)紹介していきたいと思います。
どれも今夜から始められる手軽な方法なので、参考にしていただけたら幸いです。
①布団の上では寝るだけ
「そんなの当たり前でしょ。」
と思うかもしれませんが、眠りにつくまでの間に布団の上(寝室、ベッド)で以下の活動をしていませんか?
- スマホで動画鑑賞・SNS閲覧
- 読書
- ストレッチ、ヨガ、筋トレ
- 飲食
これらの『寝る』以外の活動を布団の上で行ってしまうと、
「ここは、起きて(寝る以外の)別のことをするための場所」と脳が勘違いをしてしまい、布団に入っても眠れなくなります。
【参考:メンタリストDaiGo(2021年). 賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る (株)リベラル社】
布団の上での『寝る』以外の活動は全てやめることで、脳が布団の上を『寝るための場所』と認識するため、睡眠リズムを整えることができます。
また、布団に入って10分経っても眠れない場合には、いっそのこと布団から出てしまいましょう。
布団の上以外の場所で何か静かにリラックスできる活動(例:ボーッとする、リラックスできるストレッチや瞑想をする)をして、眠気が出てきたら布団に戻りましょう。
もちろんスマホやPC、電子書籍はNGです。
布団の上から『寝る』以外の活動を徹底的に省き、『布団の上は寝るための神聖な領域』と脳に認識させるところから始めてみていかがでしょうか?
②ストレスを減らす
「一晩寝ても疲れがとれた感じがしない。」
「体のだるさが日中も続く。」
そんな方はストレスの多い状態で眠りについているかもしれません。
ストレスホルモンである『コルチゾール』が分泌された状態では、浅い眠りから深い眠りへの移行がうまくできなくなるため、睡眠の質が下がってしまいます。
【参考:マシュー・ウォーカー(2018年). 睡眠こそ最強の解決策である (株)SBクリエイティブ】
日中の仕事やプライベートでストレスを抱えやすいという方は、そのストレスを寝床に持ち込まないために簡単なリラクゼーションテクニック『4・7・8呼吸法』を試してみてください。
4・7・8呼吸法のやり方
- いったん口から完全に息を吐ききる
- 口を閉じて鼻から4秒かけて息を吸う
- 7秒間息を止める
- 8秒かけて口から息を吐き出す
- 以上のセットを3回繰り返す
【引用:鈴木祐(2019年). 新装版 一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書 (株)扶桑社】
この『4・7・8呼吸法』はスポーツクラブのグループレッスンでも使われているリラクゼーションテクニックで、呼吸を繰り返すたびに心拍数が落ち着き全身がリラックスする感覚を得られると思います。
ストレスを感じやすい現代社会に生きる私たちは、
「眠れば嫌なことは忘れられる!」
と、ついついストレスを寝床まで持っていきがちです。
『4・7・8呼吸法』に限らず、皆さんにとってリラックスできる活動があれば、ぜひ寝る前に試してみてください。
③換気をする
「翌日の気分が上がらない。」
「日中も眠気が襲ってくる。」
そんな方は寝室の『二酸化炭素の量』を意識してみてください。
換気をして寝室の二酸化酸素濃度を下げることで、翌朝爽やかな気分で目覚めることができる上、翌日の集中力や論理的な思考力も上がっていたようです。
逆に、換気をしない寝室で寝た場合は、翌日の気分が下がったり日中の眠気が増えてしまったようです。
【参考:鈴木祐(2021年). 不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる (株)かんき出版】
換気だけであれば手軽にできそうですよね。
私は寝る30分前に寝室のドアを開け、換気扇を回して空気を循環させていますが、もし寝室の窓を開けられるという方は、寝る10分前に寝室の窓を開けて換気をしてみてください。
④体温を下げやすくする
「寝つきがあまり良くない。」
そんな方は、『入浴のタイミング』と『布団のかけ方』を工夫して、体温の下がりやすい状態にしてみてください。
人間の体は、中核温度(体表の温度ではなく、体内の温度のこと)が下がることで、『メラトニン』という物質が分泌されて睡眠モードに入っていきます。
【参考:マシュー・ウォーカー(2018年). 睡眠こそ最強の解決策である (株)SBクリエイティブ】
そんな中核温度を下げやすくする方法が『寝る90分前の入浴』と『手・足・頭を布団から出して寝る』です。
ぬるめ(40℃前後)のお風呂に入ったりシャワーを浴びることで中核温度が上がります。
そして、入浴後の90分の間に中核温度が少しずつ下がっていき、睡眠を促すメラトニンが分泌されやすい状態になります。
【参考:メンタリストDaiGo(2021年). 賢者の睡眠 超速で脳の疲れを取る (株)リベラル社】
また、人間の体温調節の機能は主に『手・足・頭』という放熱しやすい部位が担っているため、それらを布団の外に出して寝ることで体の熱が逃げやすくなり、より寝つきが良くなります。
もし、寝る前に入浴する習慣がないという方は、寝る前に水やお湯で『顔を洗う』だけでもOKです。
顔と手が濡れることによって、その水分が蒸発するのと一緒に体の熱が逃げて、結果として中核温度が下がりやすくなります。
【参考:マシュー・ウォーカー(2018年). 睡眠こそ最強の解決策である (株)SBクリエイティブ】
寝つきが悪くて悩んでいる方は、寝る90分前の入浴or寝る前に顔を洗い、『手・足・頭』を布団から出した状態で寝てみてください。
番外編:目覚まし時計を置かない
目覚ましがないと朝起きれないし、仕事に遅刻してしまいますよね。
私も寝坊癖がひどかったので、目覚まし時計+スマホのアラームのダブルセット&スヌーズONの状態にしておかないと、朝は起きることができませんでした。
しかし、寝室に置いてある時計は、逆に夜間の覚醒レベルが上げて睡眠の質を下げてしまう恐れがあるようです。
その理由は以下の通りです。
『うまく眠るのが苦手な人は、寝つけない状態で時計を見たときに「こんな時間なのにまだ起きている……」などといらぬ不安を抱く傾向が強い
【参考:鈴木祐(2021年). 不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる (株)かんき出版】』
『時計=起きる』という認識が強くなっている現代人にとっては、寝室に時計を置くことさえも睡眠の妨げになってしまっているんですね。
とはいえ、いきなり目覚ましを使わないのは難しいですよね(なので番外編としました)。
そこで、どうしても目覚ましで起きなければならない方に向けて『光目覚まし時計』を紹介します。
私が愛用している光目覚まし時計は、時間表示をOFFにでき、目覚ましを設定した30分前から少しずつ光り始めて、設定した時間になると光がMAXになります。
また、小鳥のさえずりや川の流れる音をアラームとして設定でき、音量も4段階で調整することができます。
最初の内はアラームをセットしておき、ライトの光だけで起きれるようになってきたらアラームの音量を0にしていきましょう。
寝室における目覚まし時計のデメリットをなくしつつ、光で目覚めるという自然な睡眠サイクルを実現することができますよ。
最後に
今夜から手軽に始められる睡眠の質を高める方法を4つ(+1)紹介しました。
食生活や運動習慣を改善しても、ダイエットの天敵である寝不足を改善しておかないと、せっかくの食事や運動の効果を得られなくなってしまいます。
番外編で紹介した光目覚まし時計以外は、どれもお金がかからず特別な道具も使わずに睡眠の質を上げることができる方法ばかりです。
もしダイエットの成功を望むのであれば、まずは『睡眠の質』を上げることにこだわってみると良いかもしれませんね。
最後まで読んでただきありがとうございました!
【本記事の参考文献】
睡眠こそ最強の解決策である [ Matthew Walker ]
不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる [ 鈴木 祐 ]