【事例紹介】若返りに必要な運動がわかる「NEATスコアリング」について解説

本記事では、NEATスコアリングの概要を理解し、運動不足で悩んでいる方がどんな運動から始めれば良いかわかるよう解説しています。

NEATスコアリングを理解することで、見た目の老化防止・脳の機能の改善につながる運動習慣を身につけることができます。

また、筆者が生活改善指導を担当した「50代・女性の8ヶ月の成果」を踏まえて、実際に得られた効果も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

NEATスコアリングの基礎知識

NEATスコアリングとは、NEAT研究家のジェームズ・レヴァイン氏の研究をもとに作成された診断テストで、現時点でのNEATレベルを大まかに判断できます。

NEAT(非運動性熱産生)とは、スポーツやトレーニングのような意識的な運動ではなく、日常的な活動の中で消費されるエネルギーのことを指しています。

筆者は、鈴木裕さん(パレオさん)の書籍「不老長寿メソッド」で、この診断テストのことを知りました。

NEATを高めることで期待できる効果

全く運動をしていない人であれば、NEATレベルを上げるだけで、運動によるアンチエイジング効果を得ることができます。

見た目が若返る

定期的にエクササイズしている人は、50代を過ぎても肌の角質層(皮膚のバリア機能を持つ)が厚かったそうです。

また、運動をしない20〜30代の肌と大きな違いが見られなかったとのことです。

細胞の老化を防止

染色体の末端にはテロメアと呼ばれる構造があります。

テロメアは、歳をとるにつれて短くなり細胞を老化させると言われています。

そんなテロメアと定期的な運動には関係性が認められており、運動をすることで長生きにつながる可能性があるとのことです。

自分に合った運動レベルを把握できる

NEATレベルが低い人がいきなり長時間の有酸素運動や負荷の高い筋トレを行ってしまうと、過度な疲労により、運動の若返り効果を得ることができなくなります。

運動をしたことがない人であれば、歩く時間や立っている時間を増やすだけで、十分運動の効果を得られます。

NEATレベルを意識した生活に体が慣れてきたら、運動のレベルを上げていくと良いでしょう。

NEATスコアリングの概要

チェックリスト(18項目)

以下のリストを確認し、自分に当てはまる項目の点数を足してください。

1 いつもエレベーターではなく階段を使う +3
2 職場まで15〜30分は歩く区間がある +1
3 他人よりも階段をよく使う(自分の感覚で判断してOK) +2
4 スタンディングデスクを使っている(または立ち仕事をしている) +3
5 30分おきに仕事を中断して、トイレに行ったり散歩をしている +1
6 イスに座っているあいだは足を軽く上げ下げしている +1
7 1日1回は風呂に入る(またはシャワーを浴びる) +1
8 つねに背筋を伸ばすように意識している +1
9 全体の食事の8割は自炊している +1
10 自炊のあとは皿洗いをしている +1
11 歩くスピードがたいていの人より遅い −1
12 コンサート、映画、カラオケなどによく出かける +1
13 掃除機をかける、床をふくなどの掃除を週に2回以上している +2
14 洗濯物をたたみ、衣類を片づけている +1
15 楽器の演奏や編み物など、軽く体を動かす趣味がある +1
16 1日に1回は子どもまたはペットと遊んでいる +2
17 夜はいつもテレビやスマホを見ている −2
18 スマホや活動量計で毎日の消費カロリーや歩数をチェックしている +3

引用元:鈴木祐「不老長寿メソッド」株式会社かんき出版

NEATレベルの判断

5点以下 平均より下
→ほとんど体を動かしていないため、すぐに改善が必要
6〜10点 平均よりもやや下
→家事の量を増やすところ始める
11〜15点 平均レベル
→散歩や外出を増やして活動量を増やす
16〜20点 平均よリも上
→日常的な活動を少しキツめに行う(例:階段を2段飛ばし、歩く速さを2倍にする)
21点以上 十分なレベル
→強度の高いトレーニングを取り入れる

参照:鈴木祐「不老長寿メソッド」株式会社かんき出版

NEATレベルを上げる主な活動例

  • ベッドメイキングをする
  • 料理や食後の皿洗いをする
  • 掃除や洗濯をする
  • 買い物に行く
  • ガーデニング
  • 階段を使う
  • 仕事中に散歩休憩を入れる
  • 歩くスピードを上げる・時間を増やす
  • 外出を増やす
  • その他、チェックリストで当てはまらなかった活動を取り入れる

以上を参考に、NEATレベル16点以上を目指すと良いでしょう。

NEATスコアリングの実践レビュー

実際にNEATスコアリングでNEATレベルを評価した「50代・女性」の事例を踏まえて、NEATレベルを意識した生活を8ヶ月継続したことによる成果を紹介していきます。

書籍「不老長寿メソッド」で紹介されている健康効果以外の成果も得ることができたので、参考してみてください。

事例紹介

クライアント 50代・女性
悩み LDL(悪玉)コレステロールが172mg/dlと基準値よりも高い(基準値:70〜139mg/dl)
希望 服薬ではなく、生活習慣の改善で数値を下げたい
NEATスコア 12点
評価 ・もう少し歩く時間を増やせそう
・活動量計などで実際の活動量を把握した方が良さそう
対応 活動量計(スマートウォッチ)を使用して、歩数を増やせるようにする
その他:肉を魚に置き換える

実際に得られた効果

LDLコレステロールが減少

検査 LDLコレステロール値(mg/dl)
初回 173
2回目(4ヶ月後) 168
3回目(8ヶ月後) 154

服薬に頼らず数値が下がったことに主治医は驚いていたとのことで、4〜8ヶ月後の検査で基準値(70〜139mg/dl)を目指すことになったそうです(経過が楽しみです!)。

活動量計(スマートウォッチ)を使ったことで

日中の活動量(歩数等)を数字で把握できるようになったため、歩数が少ない時はお昼休みに散歩をしたり、買い物に歩いて行ったりと、意識的に活動量を増やすことができるようになったとのことです。

まとめ

記事の要点

NEATスコアリングとは 現時点でのNEATレベルを大まかに判断できる診断テスト
NEATレベルを高めるメリット ・見た目が若返る
・細胞の老化を防止
・自分に合った運動レベルを把握できる
レビュー 事例紹介 ・50代・女性
・LDL(悪玉)コレステロールが高い
成果 服薬に頼らず8ヶ月で11%減少
→4〜8ヶ月後に基準値を目指す

最後に

健康診断等で、主治医から「運動不足」を指摘される方は多いと思います。

運動が嫌いな方や筋トレの経験がない方でも、まずは日中の活動量を増やすだけで細胞を若返らせる効果が期待できます。

また、本記事で紹介した事例のように、コレステロール値の改善といった成果につながる可能性もあります。

「運動不足を指摘されても、何から始めれば良いのかわからない」という方は、ぜひNEATスコアリングで活動量を数値化し、どんな活動を増やせば良いのかチェックしてみてください。

本記事の参考書籍である「不老長寿メソッド」では、NEATスコアリングを含めたアンチエイジングテクニックがエビデンスベースで多数紹介されていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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