本記事では、漸進的筋弛緩法の概要を理解し、睡眠に悩みを抱えている方が取り入れるべきか判断できるよう解説しています。
漸進的筋弛緩法を取り入れることで、体とメンタルの両方がリラックスして眠りに落ちやすくなるようです。
また、フィットネスインストラクターの方がリラクゼーションのレッスンでも使えるテクニックとなっています。
筆者が実際に入眠前に試したり、スポーツクラブ等のレッスンに取り入れた経験を踏まえて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
漸進的筋弛緩法の基礎知識
漸進的筋弛緩法とは、アメリカの陸上競技のコーチ&心理学の教授であるバド・ウィンター氏が提唱した入眠テクニックです。
筆者は、メンタリストDaiGoさんの書籍「賢者の睡眠」で、このテクニックのことを知りました。
漸進的筋弛緩法の概要
種類 | 米軍が採用していたリラクゼーションテクニック | |
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やり方 | 「体の一部に10秒間力を入れる→息を吐きながら緩める」という動きを繰り返す | |
具体的な手順 | ① 仰向けになり、ゆっくり呼吸を繰り返す(全身の力を抜く) | |
② 足 | 足の指でグーをつくる→足裏・ふくらはぎの力を抜く | |
足首を曲げる→スネの力を抜く | ||
③ 腕 | 手でグーをつくる→指・手のひら・腕の力を抜く | |
④ 肩 | 肩周りに力を入れる→肩周りの力を抜く | |
⑤ 顔 | 顔の全てのパーツを顔の中心に寄せる→表情筋の力を抜く | |
⑥思考 | 10秒間思考を停止する(例:10秒をゆっくりカウントする、「何も考えない」と繰り返す) | |
補足 | 意識する筋肉を小分けにするほど、眠りに落ちやすくなる |
参照:メンタリストDaiGo「賢者の睡眠」株式会社リベラル社
効果・メリット
不眠に悩む米軍パイロットが2分で寝落ちできた
死の恐怖や緊張、爆音や振動といった大きなストレスを抱えやすい環境に身を置く軍人は、不眠に悩まされることが多いとのことです。
そんな不眠に悩む米軍パイロットが漸進的筋弛緩法を試したところ、96%の人が120秒以内に眠れるようになったそうです(参照:メンタリストDaiGo「賢者の睡眠」株式会社リベラル社)。
体とメンタルの両方をリラックスできる
いきなり「メンタルをリラックスさせてください」と言われても難しいと思います。
足→腕→肩…と、順に自身の体に意識を向けていくことで、体をリラックスさせている間に心(頭の中)を無の状態にできるようです。
心地よく眠るための条件である、体とメンタルが両方リラックスした状態を一つのテクニックで実現できてしまいます。
漸進的筋弛緩法の実践レビュー
実際に就寝前に試したり、スポーツクラブ等のレッスンでリラクゼーション方法として取り入れてみたところ、以下のような効果を実感できました。
実際に得られた効果
知らぬ間に寝落ち
入眠前に試してみたところ、最後の「思考のリリース」に行く前に寝落ちしてしまうレベルで、体とメンタルがリラックスできました。
スポーツクラブ等のレッスンでも取り入れたところ、寝つきの悪さに悩んでいたお客さんから、「レッスン後に自宅で試したら、即寝落ちすることができた」というレビューをいただきました。
以前、478呼吸法という入眠テクニックを紹介しましたが、個人的な感想としては漸進的筋弛緩法の方が寝落ちしやすいと感じています。
漸進的筋弛緩法の注意点
力の入れ方(特に足や肩)
体に力を入れる際、以下のポイントに注意が必要だと感じました。
足 | 足首を伸ばした時に、足の指やふくらはぎに力を入れすぎてつってしまう | |
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対策 | 足がつりやすい人は、指を丸める程度にとどめて足首を伸ばしすぎない | |
肩 | 肩をすくめるように力を入れて、首に過剰な力が入ってしまう | |
対策 | 背中に意識を向けて、肩甲骨を寄せるように力を入れる |
呼吸のリズム
心身をリラックスさせるには呼吸のリズムが非常に大切です。
しかし、体に意識を向けつつ呼吸のリズムを保つというのは、最初は難しく感じると思います。
筆者は、以下のリズムを意識することでリラックスすことができたので参考にしてみてください。
- ゆっくり息を吸いながら各部位に力を入れる(10秒のカウントを開始)
- 息を吸い切ったところで100%力が入っている状態を目指す
- 残り時間(5秒程度)は息を止めて力を入れ続ける
- 息を吸う時間よりも吐く時間が長くなるように意識しつつ、徐々に徐々に体の力が抜けていく余韻に浸る
→体の部位に意識を向けた478呼吸法に近い
まとめ
記事の要点
漸進的筋弛緩法とは | ・米軍が採用していたリラクゼーションテクニック ・「体の一部に力を入れる→息を吐きながら緩める」という動きを繰り返す |
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効果 | 体とメンタルの両方をリラックスできる →不眠に悩む米軍パイロットですら2分で寝落ちできた |
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レビュー | 実際に得られた効果 | 知らぬ間に寝落ちできた |
注意点 | ・力の入れ方(特に足や肩) ・呼吸のリズム |
最後に
力の入れ方と呼吸のリズムをコントールできれば、寝つきの悪さを改善する方法として、非常に効果的なテクニックと言えます。
体の各部位に力を入れる際は、筋肉がつったり、関節に痛みを感じない範囲で試してみてください。
また、漸進的筋弛緩法は、以前紹介した478呼吸法より肉体的にリラックスした感覚を得やすいと感じているため、日中の活動で体が凝り固まっているという方にはぜひ試してもらいたいと思います。
本記事の参考書籍である「賢者の睡眠」では、漸進的筋弛緩法を含めた睡眠改善テクニックがエビデンスベースで多数紹介されていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!